CRISPRテクノロジーは遺伝子工学領域の新しい技術で、遺伝子の編集を行うことができる。この技術は細菌がどのようにウイルス感染と戦うかを研究する過程で生まれた。
CRISPRは細菌がウイルスから身を守るための細胞のようなもので、複数世代に渡り細菌が感染したことのあるウイルス情報を蓄積している。細菌はCRISPRに蓄積された情報からウイルスのDNAをコピーしたRNAを作成する。このRNAとマッチするパターンがDNA内に見つかると、Cas9がそのDNA部分(=ウイルス)をカットする。
この仕組みを遺伝子工学に応用することで、驚くべき正確さで特定のDNAを削除することができる。例えば、HIVウイルスを感染者の細胞から除去することができる。
このCRISPRテクノロジーが従来の遺伝子工学技術と一線を画しているのは、プログラム可能であるということだ。つまり、カットしたいDNA情報をプログラムすることで、簡単に複数の分野に応用できる。10年後以内には、CRISPRテクノロジーの医療分野への応用が実現する見込みで、現在この技術領域のスタートアップが盛り上がりを見せVCの投資も増えている。
CRISPRテクノロジーは治療以外にも強化にも使える。例えば、骨格を強くしたり、身長を高くしたり、目の色を変えたり、視力を改善したり、IQを高くしたりなどだ。
現在は、どの遺伝情報がどのような特性と関連しているのかがよく知られていないが、この関連性が明らかになるとCRISPRテクノロジーを使い、上記のような人間をデザインするというようなことが可能になる。
このような技術には当然倫理的な問題が伴う。彼女と同僚はCRISPRテクノロジーを人間の胚に応用するとこを一時的に停止することを呼びかけた。世の中に大きなインパクトを与える技術には、十分な試験と検証が必要である。
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