- 単位行列: 対角成分のみが1、残りは0である行列。
例)
- スカラー行列: 単位行列をスカラー倍したもの。
例)
- 対角行列: 対角成分意外が0である行列。
例)
- 正方行列: 行数と列数が等しい行列。
- エルミート行列: 行列Aとその随伴行列A*が等しいとき、Aをエルミート行列とよぶ。随伴行列(共役転置行列ともよばれる)とは、行列に転置をしたあと、各要素をその複素共役に置き換えたもの。
例)
例からも分かるように、エルミート行列の対角成分は、実数でないといけない。また、もとの行列のサイズと転置した行列のサイズが同じにならなければならないため、エルミート行列は正方行列である。
- 対称行列: 自身と転置した行列が等しくなうような行列。
例)
例からも分かるように、実対称行列は、エルミート行列のsubsetである。
- ユニタリ行列: 逆行列と随伴行列が等しくなる行列。
例)
ユニタリ行列は、自身と随伴行列をかけると単位行列となる。このことから明らかに、ユニタリ行列であることと、列(行)ベクトルが正規直交基底であることは同値。
- 直行行列: 逆行列と転置した行列が等しくなる行列。
例)
ユニタリ行列と同様に、直行行列であることと、列(行)ベクトルが正規直交基底であることは同値。また、直交行列は、ユニタリ行列のsubsetである。
- 逆行列: 行列積ABが単位行列となるとき、BをAの逆行列いう。
- 正則行列: 逆行列が存在する行列のこと。
- 基底: ベクトル空間全体をはることのできる単位ベクトルの集合。それぞれの基底は一次独立。
例)
- 直交基底: お互いが直交する基底。
- 正規直交基底: 直交基底、かつ、それぞれの基底の大きさが1であるもの。
- 階数:行列を列ベクトルとみなしたときに、線形独立な列ベクトルの数。Aの階数は、rank(A)と書く。
- 固有値/固有ベクトル: 行列は、ベクトルに対する一次変換演算とみなすことができる。このとき、あるベクトルxには、その方向が変わらない一次変換というものが存在する。逆に行列側からみると、その変換に対して方向を変えないベクトルは固有に決まる。このベクトルを固有ベクトルという。方向を変えない変換は、単にベクトルをスカラー倍するだけの写像と考えることができる。この倍率に対応する値を固有値と呼ぶ。固有値/固有ベクトルを利用することで、行列のべき乗を高速に計算できる(行列の対角化)。
0 件のコメント:
コメントを投稿