まず、あらすじをちょっとだけ書きます。貧困に苦しむ元学生のラスコーリニコフが金貸しの老婆を殺害します。そして犯行現場を偶然見てしまった老婆の妹も殺してしまいます。これが罪の部分です。後半では、事件後のラスコーリニコフの後悔、焦燥、苦難といった心理描写、証拠隠滅のためにとる不可解な行動、それを疑う彼の家族・友人とのやり取りが書かれています。
上巻の最後の部分に出てくるラスコーリニコフが週刊誌に寄稿した犯罪に関する思想がこの小説の大きなテーマに繋がっているかと思います。「世界を変えるような優れた人間は犯罪を犯してもよいのか?」ということです。それから本当は大したことのない青年が、自分は優れた人間だと勘違いをして犯罪を犯し出したらどうなるのか?という観点も興味を惹かれるものでした。
下巻でラスコーリニコフがどうなるのか、そして、この小説のテーマにどのような結論付けがなされるのか楽しみです。
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