『Webの世界はすさまじい速度で進化してきた。次世代のWebがどのようなものになるのか私は分からない。しかし確かなことがある。次世代の新しいWebはこの部屋にいる技術者たちによって作られだろう。そして未来のビジネスはあなた方がつくった新しい仕組みのうえで展開される。』
―先日、Google Developer Day 2011が横浜で開催されました。Googleの製品へ高い貢献をしているDeveloper、およびDevQuizで高得点を取り招待状をゲットしたエンジニア、約2000人が一同に会しました。
Google Developer Dayは午前の部と午後の部に大きく分かれていて、午前はKeynote Speech、午後は複数のSessionが同時進行するという形で構成されていました。主に、
- Android
- Chrome
- App Engine
- HTML5
- Google+
などの技術の最新動向が発表されました。また、技術者同士が会話をしたり、Googleのエンジニアとコミュニケーションを取ったりできるような工夫が施されており、とても楽しいイベントでした。私自身も、缶バッジ交換のおかげでゲーム業界のエンジニアの人とお話することができ非常にいい経験となりました。
特に私の印象に残ったのは以下の3点です。
- ScalabilityとAgility
- Googleマインド
- エンジニアとしての社会貢献
1. 『これからのWebのサービスにおいて重要なものは、どうスケールするか、そして如何に柔軟な開発スタイルを取り入れていくかだ。』特に、アジャイル開発の重要性に関しては、Googleの東日本大震災に対する取り組みの中でも語られました。
アジャイル開発を行うためには、プロトタイピング力を持ったエンジニアの存在が絶対条件だと思います。しかし、浮かんだアイディアをすぐに実装できるエンジニアは日本には決定的に少ないように感じます。これはそもそも、日本のシステム業界(とりわけSIer業界?)が要件定義/設計/開発/テスト/保守のように縦割りになっていることが原因じゃないかと。。要件定義はできるけど、fizzbuzzも書けないエンジニア。開発はできるけど要件がまったく分からないエンジニア。アジャイル開発を取り入れるためには、まずこのあたりの体質を変えていく必要があるのかなと思いました。
2. これは、単純にいいな~と(羨ましいなと)。。会社のスローガンって見栄えだけ綺麗で中身が伴っていないことがしばしばありますが、Googleが大切にしているという以下の三箇条は本物だなと感じました。
- なにごともエンジニアありき
- 百聞は一デモに如かず
- 日本で「イケる!」と思ったら、世界のみんなも同感するかも
3. 「Googleのクライシスレスポンス」というSessionで、東日本大震災に対するGoogleの取り組みが語られました。『すべてが自動化された完璧なシステムを届ける必要はない。途中に人の手が入っていてもかまわない。』『当初、被災地の人達が欲していたのは、スマートフォン上で起動するアプリでもクラウド上で動作するアプリでもなかった。エクセルやアクセスといったごく単純な技術だった。』
技術者として最新技術を追うことや完璧を求めることも大事だけど、今自分が持っている技術がどう世の中に役に立つのかと考えて実践するというのは本質的により重要なことだなと改めて考えさせられました。自分の技術なんて大したことないやと卑屈にならずに、少しでも世の中が変わる、少しでも世の中に役に立つはずと信じてサービスを提供していきたいなと思いました。
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